「原作に忠実な異世界転生RPG」
こんにちは!ユウキ(@yuuki_kg)です。
今回は、2020年2月27日に配信されたソーシャルゲーム「この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ」のレビュー・評価・感想について紹介していきたいと思います。
プレイする予定の人や、気になっている人はぜひ参考にしてくださいね。
このすば ファンタスティックデイズ【レビュー・評価・感想】
本作は、人気アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!」の初となるソーシャルゲームで、ジャンルはRPGである。(以下このすば)
バトルはコマンド式だが、ATB(アクティブタイムバトル)が搭載されているため、戦闘中は常に時間が流れており、プレイヤーはテンポの良い直感的なバトルを楽しむことができる。
また、豪華声優陣によるフルボイスストーリーにも期待したいところだ。
このすばの魅力は、なんといっても個性豊かで強烈なキャラクターにある。
勘違いでショック死した引きこもり、借金まみれの駄女神、爆裂魔法しか使えない厨二病のウィザード、不器用な変態クルセイダーなど、異世界転生系の中では最高峰のギャグアニメといっても過言ではない。
そんな愉快なキャラクターたちで組むパーティーは、君の冒険を必ずや盛り上げてくれるだろう。
ソーシャルゲームに求められているものと、原作ファンが望んでいるものを両立させようとする姿勢は称賛に値する
昨今排出されている多くのソーシャルゲームは、ストーリーとバトルを交互に進めていくタイプが一般的であるが、シナリオに興味がないユーザーにとっては、テンポを損ねる要因でしかなかった。
そんなユーザーに私がオススメしたいのが、このすばファンタスティックデイズ、略して「このファン」である。
本作はシナリオとバトルが完全に分けられているため、一切のテンポを損ねることなく、純粋にバトルのみを楽しむことが可能となっている。
つまりクエストをこなしていれば、ストーリーに関係なくゲームが進行していくのだ。
このようにユーザビリティを向上させる要素は他にもいくつか存在する。
例えばバトルをスキップして報酬のみを入手するという機能だ。
バトルのスキップは所持している「スキップチケット」の枚数だけ可能で、狙っている素材を短時間で大量に入手できるため、装備の作成・強化が効率良く行える。
他にはキャラクターに「バイト」をさせ、放置で経験値アイテムや素材を集めることも可能だ。
おかげで本作は圧倒的にアイテムが入手しやすい仕様となっており、無課金でもキャラクターの育成・強化は非常に容易い。
また、ガチャ石(クオーツ)も頻繁に入手できるため、ガチャを回せる頻度はかなり高いようだ。
個人的にソーシャルゲームに求められているのは、いかに低コストで暇を潰せるか、そして短時間で楽しむことができるかの二択であると自負している。
であれば、そのどちらも満たしている本作は、まさにユーザーに求められていた作品といえるだろう。
一方で、原作やアニメのファンであるプレイヤーたちの満足度を上げる要素も豊富に組み込まれている。
まずシナリオだけで恐らくライトノベル一冊分に近いボリュームがあると思われるが、それがフルボイスで展開されるのだから驚きだ。
そして各キャラクターの絆レベルを上げることで発生する親密イベントを合わせれば、ボリュームはさらに膨れ上がるだろう。
また、本作にはアニメを追体験できるシナリオが用意されているため、アニメを見たことがないプレイヤーにも登場キャラクターたちの魅力が伝わるはずだ。
使用できるキャラクターはオリキャラを含めると総勢19人にも及ぶが、戦闘パーティーはフロント3人+交代2人で構成されているので、14人も溢れることになり少々もったいない気もする。
だからこそ、自分が選び抜いた5人には愛着が湧くというものだ。
ちなみに控えメンバーは、特性とステータスの30%を戦闘メンバーに加算するというサブメンバーとしての役割を持っているため、育成が無駄になることは基本的にないので安心してほしい。
また、各キャラクターには必殺技の演出としてアニメーションが用意されているので、そちらにも注目してもらいたい。
キャラクターはイベント報酬を除けばガチャで入手することになるが、レア度や衣装によって専用の描き下ろしイラストが用意されており、一切の手抜きを感じられない。
イラスト自体のクオリティも高いのだが、さらに専用ボイスまで付けるという手の込みようである。
中には着せ替え用の衣装が付いてくるものもあり、その場合はホーム画面のキャラクターに反映させることができるようだ。
このようにキャラクターに重点が置かれている要素は、ファンにとってはこの上ない喜びだろう。
本作において、カズマたちの実力はいかほどのものか?
さて、何かと問題を抱えているカズマたちのポンコツパーティーだが、原作の設定は本作の戦闘にどこまで影響を及ぼしているのだろうか?
まずカズマとアクアだが、この二人に関しては特に問題ないだろう。
アクアの必殺技である「ゴッドブロー」は、カエルにこそ効果はないものの、それ以外の敵に対しては有効といえる。
しかし、めぐみんとダクネス!この二人の場合は少々話が変わってくる。
原作やアニメを知っているプレイヤーにとっては常識だが、言うまでもなくめぐみんの必殺技は爆裂魔法であり、たった一度の使用で戦闘不能に陥ってしまう。
そして問題なのは、めぐみんの切り札であるはずの爆裂魔法の威力が、他のキャラクターの必殺技と大して差がないということだ。
つまり必殺技を複数回使用するほどの長期戦においては、めぐみんをパーティーに加えるメリットは全くないといえる。
続いてダクネスだが、彼女は不器用なので当然ながら通常攻撃や攻撃スキルは一切命中しない。(バインド状態の敵には命中する)
そのためダクネスが使用できるコマンドは、基本的に必殺技であるデコイと、バフ系のスキルのみである。
では壁役としては優秀なのだろうか?・・・残念ながらそういうわけでもなく、なぜなら仮に敵の攻撃を引き付けたとしても、集中攻撃に耐えられるほどの防御力をダクネスは持っていないのだ。
というのも、本作は敵の攻撃力が高めに設定されており、回復スキルが非常に重要となってくるため、守っている暇があったら回復しながら火力で押し切ったほうが効率的だ。
このように原作の設定が忠実に再現されているため、現状ではめぐみんとダクネスをメインパーティーに加える理由は思い浮かばなかった。
絶対的なマイナス要素ではないが、いくつかの細かい欠点が少々癪に障るのだ
未だに腑に落ちない要素があるのだが、それは「属性」に関してだ。
まず属性は7種類あり、有利な属性で攻撃すればダメージは上昇するが、不利な属性なら減少する、ここまでは誰でも理解できるだろう。
問題なのは属性の相性表が用意されていないこと、なぜか無属性の敵にも弱点属性があること、そして味方が弱点属性で攻撃されてもダメージが変化しないという意味不明な仕様である。
まぁ無属性の敵に関しては、表記がされていないだけで実際は何かしらの属性を持っていると思われるが、上記の仕様を見る限り基本的に属性というのは味方に有利に働くようだ。
ではどこに問題があるのか疑問に思われるかもしれないが、プレイヤーを混乱させた時点で既に問題である。
幸いゲーム進行に影響を及ぼすようなマイナス要素ではないにしろ、ヘルプに記載すれば解決するような問題なのだから、私はこれを説明不足とみなして評価を下げた。
他にはバイトや装備の強化にも同じことが言える。
バイトは担当キャラクターを設定しておくことで、最大12時間分のアイテムが入手できるというシステムであり、数時間おきにアイテムを回収することも可能なのだが、それでは「1時間経過させることで入手できるアイテムの数は?」
「装備を一段階強化することで上昇するステータスの数値は?」
細かい指摘ではあるのだが、本作には表記忘れや説明不足な要素が多く目に付いた。
また、アニメを題材としたゲームであるにもかかわらず、なぜかイベントCGの鑑賞モードがないことにも違和感を感じる。
キャラクターイラストは図鑑で閲覧可能なのだが、イベントCGに関しては発生済みのストーリーから再確認するしかないようだ。
鑑賞モードを搭載しない理由は特にないため、こちらも評価を下げる要因であると判断した。
最後はキャラクターの衣装に関しての不満点なのだが、本作の戦闘用SDキャラはデフォルトの衣装に固定されており、個別に入手した衣装やキャラクターイラストは反映されない仕様となっている。
反映されるのはホーム画面に設定したキャラクターの立ち絵なのだが、私も含めて恐らく大抵のプレイヤーをはキャラクターイラストをホーム画面に設定しているのではないだろうか?
仮にそうだとしたら、衣装の必要性が大して感じられないため、非常に残念である。
まとめ
良いところ
- 細かいイベントを含めた全てがフルボイス
- 原作を追体験できる
- 魅力的なキャラクターが豊富
- 高品質のキャラクターイラスト
- 全体的にテンポが良い
- 直感的に操作できるバトル
- 無課金でも育成が簡単
悪いところ
- 詳細な仕様が説明不足
- 衣装が戦闘に反映されない
- イベントCGの鑑賞モードがない
- 回復ゲー
人気アニメという「補正」がかかっているので、若干過大評価されていますが、ゲーム自体の完成度は高いと思いますし、特にこのすばファンの人たちにとっては、プレイしない理由はないと言っても良いでしょう。
個人的にも、「アニメを題材にしているソシャゲーのお手本になるべき作品」というのが第一印象でした。
仮に原作やアニメを知らなかったとしても、個性豊かなキャラクターたちや追体験イベントのおかげで、新たなファンを獲得するのは難しくないでしょうね。
また、全体的なテンポや手触りも良いので、アニメに興味がないユーザーにもストレスなく楽しんでもらえると思います。
しかしアニメゲーとして楽しむのであれば、やはりイベントCGの鑑賞モードは必要でしたし、衣装も戦闘に反映させるべきでしたね~。
これらを手抜きとして見るかはさておき、僕が残念に感じことは、Live2Dなのに 乳揺れがほとんど確認できなかったことです!(ゆんゆんは分かりやすかったけど・・・)